イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

イノベーションのジレンマ」の著者クリステンセン教授による人生を考えるための本。氏が2005年に来日した時に、有給休暇を取って大手町の某所に足を運んでイノベーションのジレンマの講演を聞きに行ったことを思い出します。
本書の元の題は”How will you measure your life?”、つまり自分の価値観をどこに置くのかという問いです。これに対してビジネスの理論を人生に当てはめて考えてみるという氏らしいユニークなアプローチで、キャリア、家族、子供といった人生のいろいろな側面に対する考え方を説いてくれます。
『人生のなかの家族という領域に資源を投資したほうが、長い目で見ればはるかに大きな見返りは得られることを、いつも肝に銘じなくてはならない。仕事をすればたしかに充実感は得られる。だが家族や親しい友人と育む親密な関係が与えてくれる、ゆるぎない幸せに比べれば、何とも色あせて見えるのだ』という氏の想いには深い共感を感じました。また、最終章「終講」にある「目的をもつことの大切さ」も胸にぐっとしみこんできました。
これはkindle版もいいけど本棚において時々開いて読み返したくなる本ですね。