ITストラテジスト -合格に向けた勉強のポイント-
おかげさまで、令和元年度のITストラテジスト試験(ST)に合格することができました。現在携わっている業務が関係深いこともあり、今回取得することができてうれしい限りです。午前Ⅰ&Ⅱについてはひたすら過去問(Webサイト&アプリ)でしたので、このエントリでは、午後Ⅰ&Ⅱを中心に、私が行った勉強のポイントなどお伝えします。
午後Ⅰ
基本は過去問を解き続けました。1年目はなかなか点数を上げられずに、合格まであと3点足りないところで敗北。2年目はこの本を手に取ったことでなんとか合格レベルまで点数を上げることができました。
ALL IN ONE パーフェクトマスター ITストラテジスト 2019年度
- 作者:TAC情報処理講座
- 出版社/メーカー: TAC出版
- 発売日: 2019/03/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
この本で午後Ⅰの解法テクニックとして解説されている「三段跳び法」がわかりやすく自分の思考にもあっていたようです。
<三段跳び法>
- ホップ:設問を特徴づけるキーワードやキーフレーズを見つける。
- ステップ:ホップで見つけたキーワードを元に解答を導く情報へ探す。
- ジャンプ:ステップで見つけた情報をもとに解答を作成する。
自己採点時には単に正解かどうかを確認するのではなく、「三段跳びをどう飛んだら正解の回答たどり着けたのか」(どのキーワードに着目したか、そこからどのような情報につなげたか、など)という回答に至るプロセスを確認しました。これにより、不正解のときの自分の失敗パターン(ヒントを見落とした、選択したヒントが違っていた、ヒントはあっていたが解答の方向性が違った、複合的な要素を考慮できてなかった、など)が徐々にみえてきますので、そこを改善するようにして過去問を解きつづけることで、正解率を上げていくことができました。
ちなみに解答につながるヒントや情報のパターンについても過去問を解いていくことで徐々に身についてきます。いくつか例を挙げると、
- 経営や解決の方針に関すること(解答の前提条件になる)
- ネガティブな内容(しかし、だが、~ができてない、等、ヒントにつながる可能性が高い)
- 表の形で整理されている情報(特に、先のネガティブな内容との組み合わせはヒントになる可能性が高い)
- 唐突にでてくる、取ってつけたような説明文。(解答を一意に絞れるよう補足している可能性がある)
といったところについて、特に下線を引いてヒントとして注目していました。ご参考まで。
午後Ⅱ
だいたい以下の流れで勉強していきました。
- ロジック(論文構成)の組み立ての練習
- PCを使っての論文作り
- 2で作成した論文を写書
- ロジックの整理(いくつかの論文骨子ネタ)
- 模擬試験
実は「よし論文対策するぞ!」という「やる気スイッチ」をどう作るかが一番むずかしかったところでした。1回の論文作成のボリューム感に不安を感じ、ついつい先延ばしになりがちです。終わった後のご褒美などやる気スイッチを作り、まずはとにかく作文を1回完成させることが重要です。
幸い、業務上論文ネタに困ることはなかったため骨子を作るところまでは、なんとかなったのですが、その後にいきなり手書きで論文を書き始める、というのは正直筆が進みません。なので、まずはPCを使ってとにかく作文を完成させてみるという作戦をとってみました。Wordで等幅フォントのフォーマットを作り、行数や文字数をカウントしながら、実際にどれくらいのボリューム感になるかを試行錯誤しながら、骨子を膨らませてまずは1本完成させることを目指しました。骨子を膨らませるにあたっては、参考書にある論文のいいまわしも十分参考になりました。
そのあと、PC上で作成した論文を印刷しそれをそのまま方眼紙に写書することで、論文作成を一通り形だけでも経験するという流れで、これによりなんとか1本完成させることができました。一度完成させることで全体的なボリューム感などがつかめるので、あとは、過去問の代表的なテーマで数本論文の骨子を準備しておくとともに、民間の模擬試験で経験を積み、論文対策を進めました。
論文のポイントとして私が強く意識したことは以下です。
- 問題文に指示された論点を把握し必ず記述すること。
- 自分が実践した(もしくはこの立場として実践するであろう)具体的な行動を、理由付きで述べること。
参考: 実際の試験の論文構成と骨子
「問1 ディジタル技術を活用した業務プロセスによる事業課題の解決について」
1.解決しようとした事業課題と背景
1.1 事業概要と特性
- A社はXXX業を全国で営んでいる企業
- 自分はA社の経営企画部に所属するITストラテジスト
- A社は中小の顧客が多く、様々なオーダを一日〇万件処理する必要がある
1.2 事業課題とその背景
- 中小の顧客は紙やFAXによるオーダがいまだに多く、ディジタル化がなかなか進まない
- また、少子高齢化によるベテラン社員の退職や全体的な社員数自体が減っている一方、オーダ自体は増えている
2.活用したディジタル技術、実現したプロセス、実用性担保に向けた検討課題
2.1 活用したディジタル技術
2.2 実現したプロセス
- これまでスタッフが入力していた内容を、自動で読み込み業務システムに入力するプロセスを実現する
2.3 実用性担保に向けた検討課題
- オーダ入力の自動化に関する先行事例の調査
- クラウドを利用することに関する社内セキュリティ規定への対応
- 実際の業務フローや帳票を用いた実証実験とその評価(機能、性能、コスト)
3.事業部門への説明内容と指摘改善内容
3.1 業務部門への説明内容
- 実証実験の結果を踏まえ、今回できること/できないこと
- 業務がどう変わるか、減ること/変わること/増えること
3.2 指摘改善内容
- 新しい業務プロセスが安定するまで、シナリオや連携システムのサポート体制を充実させること
- 将来、事業部門が自らシナリオの作成・改善を行えるようにすること
その他参考リンク
こちらのリンク先の情報も大変参考になりました。ありがとうございました。