イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

イノベーションのジレンマ」の著者クリステンセン教授による人生を考えるための本。氏が2005年に来日した時に、有給休暇を取って大手町の某所に足を運んでイノベーションのジレンマの講演を聞きに行ったことを思い出します。
本書の元の題は”How will you measure your life?”、つまり自分の価値観をどこに置くのかという問いです。これに対してビジネスの理論を人生に当てはめて考えてみるという氏らしいユニークなアプローチで、キャリア、家族、子供といった人生のいろいろな側面に対する考え方を説いてくれます。
『人生のなかの家族という領域に資源を投資したほうが、長い目で見ればはるかに大きな見返りは得られることを、いつも肝に銘じなくてはならない。仕事をすればたしかに充実感は得られる。だが家族や親しい友人と育む親密な関係が与えてくれる、ゆるぎない幸せに比べれば、何とも色あせて見えるのだ』という氏の想いには深い共感を感じました。また、最終章「終講」にある「目的をもつことの大切さ」も胸にぐっとしみこんできました。
これはkindle版もいいけど本棚において時々開いて読み返したくなる本ですね。

エンタープライズ・アーキテクチャ

『EAの真価は企業レベルのITの全体最適化でありIT全体のビジネス価値の最適化である。』という視点で展開される体系化されたフレークワークや視点の数々は、発行から10年たった今でも通じるものでありその先見性の高さには驚かされます。中古品を探してまで入手した甲斐がありました。当然これですべての仕事が解決するわけではなく、また理論だけでは意味が無いので、これらをどう実践して意味のあるものにするかは自分次第ですが...この本を読んで自分の中でもやもやしていたものが少し整理できたような気がします。

エンタープライズ・アーキテクチャ

エンタープライズ・アーキテクチャ

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

後輩に薦められるままKindle版のサンプルを読んでたのですが、1章から展開が面白くて気がついたらそのまま本体もポチってるという完全にamazonにやられたパターンですw
「生産性の向上」という命題に対して、全体最適の視点で解決していくプロセスを小説形式で説明しており、大変読みすすめやすかったです。話はマニュファクチャリングプロセスを中心について書かれていますが、この本はその中核となる問題解決の視点やプロセスに注目すべきで、いかに全体最適の視点で捉えることが重要かを示してくれています。本文もさることながら、巻末の「『ザ・ゴール』誕生の背景とその後」に、筆者ゴールドラット氏のこの分野に賭ける熱い思いと苦悩みたいなのがこれでもかと書かれていてこれもまた面白かったです。

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か