世界で闘うプロダクトマネジャーになるための本 〜トップIT企業のPMとして就職する方法〜

とあるルートでお勧めされていたので手に取ってみましたが、最近読んだ何冊かのキャリアプランに関する本の中ではダントツに良書でした。タイトルからお前は転職でもするのかと思われそうですが、著名なIT企業への就職を目指さなくてもプロダクトマネージャとして有用な考え方が豊富に示されており、今の自分に足りない視点やもっと意識して取り組むべきポイントを多く発見することができました。
特に、Chapter 4「良い経験を積む」のエンジニアからプロダクトマネージャに転身することの下りや、Chapter 5「キャリアを進める道」のキャリアを発展させるためのヒントとコツや、著名なIT企業のPMへのインタビューからのアドバイスはリアルで説得力あります。Chapter 6以降は実際の面談の話や質問されること(行動・見積もり・プロダクト・ケース・コーディング)への対策の話になっていますが、面談テクニックもさることながら、それらの質問どういう考えで何を問うているのか、という事が丁寧に示されているので、就活生や人事の方も大変参考になるのでは。「行動」に関する質問は自分の会社の面談でもよく問われるポイントだったりするので棚卸の時には再読したい章です。
本の中で"MBAの最大の落とし穴"として示されていた「落とし穴とは、何かをするべきかを語るだけで、実行する方法を知らない人になってしまうことです。」は、MBAに限った話ではないと思うので強く肝に銘じたいところ。沢山の引き出しをもらえた本でした。

2015/8/30比較表追記しました

世界で闘うプロダクトマネジャーになるための本 ~トップIT企業のPMとして就職する方法~

世界で闘うプロダクトマネジャーになるための本 ~トップIT企業のPMとして就職する方法~

人月の神話【新装版】

ソフトウェア開発およびそのプロジェクトマネージメントの古典的な書として、ずっと気になっていたこの本、やっと読了できました。個人的にはプロジェクトマネジメントの話より「概念構造体」などの言葉で語られるソフトウェア開発の難しさについての洞察が興味深かったです。ソフトウェアは目に見えないので、対象を抽象的な概念で捉え・モデル化し・伝えることが常に求められるのですが、この年になってもまだまだそのスキルは十分でなく向上が必要なのを思い知らされる毎日です。今回、新装版が発行されたのをきっかけに手にとってみましたが、原文の出版が1975年ということで、なんと40年も前の古典になります。この書で示される数々の洞察が今もなお色褪せていないということが、ソフトウェア開発の本質的な複雑さ・難しさを粛々と語っていますね。

以下、心に響いたセンテンスを引用します。

インプリメンテーションが定義を過剰に規定してしまっていた。つまり機械が何をすべきかについてだけでなく、どのようにすべきかという点についてまで多くを語り過ぎたのである。
(p59)

コスグローブは(略)彼が見たところによると、デザインを文書化したくない理由は、単なる怠慢や時間的圧力にあるのではない。むしろ、仮のものだと分かっている決定事項に対して弁明の言質をとられたくないというデザイナーの思いから来ているのだ。「デザインを文書にすることで、デザイナーは自分自身をあらゆる人からの批判にさらすことになり、自分で書いたことすべてを弁明できなくてはならない。組織機構からなんらかの脅威を受けているとすれば、完全に擁護できるようになるまでは、何も文書化されないのだ」。
(p108)

ソフトウェア実体の本質とは、データセットやデータ項目間の関係、アルゴリズムや機能呼び出しなどが組み合わさったコンセプトで構成されたものである。この本質は、同じ概念構造体が多くの異なる表現で表されるという点で抽象的である。それにもかかわらず、非常に正確で十分に詳細なものである。私は、ソフトウェア構築において困難な部分は、この概念構造体の仕様作成とデザインおよびテストにあって、それを表現する仕事やその表現に忠実か否かをテストする仕事ではないと考えている。
(p170)

ソフトウェアの構造を図にあらわそうとするやいなや、1つではなく複数の一般的な有効グラフで構成されていて、しかもそれらが互いに重なり合っていることに気付く。いくつかの図には制御の流れ、データの流れ、主従関係、時間的順序、名前とスペースの関係などがあらわされている。通常これらは二次元にさえなっておらず階層化されていることなどまずない。実際のところ、こうした構造に対して概念的制御を確立する方法の1つは、1つまたはそれ以上の階層構造図になるまではグラフの結び付きを取り除き続けることである。
(p174)

人月の神話【新装版】

人月の神話【新装版】

ハロ−!純一

子供が友達と映画に行きたいという事で見に行ってきました。「保護者同伴で小学生以下無料」という大胆すぎてか今まで以外になかったこの戦略に、監督やスタッフの「小学生に見てもらいたい!」という本気の意気込みが伺えます。
内気な小学生である主人公「純一」含む仲良し6人組のクラスに、「アンナ先生」が教育実習生として来たことで繰り広げられる学園もの。小学生らしい甘酸っぱいシーン含めて、子供たちの喜怒哀楽が丁寧に描かれているのがいい感じ。親的には微妙に感じるようなシーンも若干ありましたが、最後はホッとさせてくれるので、全体的にほのぼのできる楽しい映画でした。映画の後に子供たちに感想を聞いたら「面白かった!笑いっぱなしだったよ!」と大変満足そうでした。
満島ひかりさん演じるアンナ先生が、いい感じにはまっていると思います。いろいろドラマやCMにも出演されているのでTVで見かけるたびに子供と「アンナ先生だ!」と言ってしまいます。また、アンナ先生が歌う主題歌の"愛なしでは息もできない"が、何気にグッとくる結構いい曲だったので、これは後で購入しよう!と思っていたのですが、映画館限定でしかCDが買えないと知ってちょっと残念・・上映期間後でもいいのでiTunesでDLできるようになるとありがたいですね。

「ハロー!純一」公式サイト
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