ゲームを軸とした新産業の成立条件

秋葉原UDX4Fの施設「先端ナレッジフィールド」で、ゲーム関連事業のプロデューサーを務めていらっしゃる松井さんのブログ「http://straydog.seesaa.net/article/16889979.html」を読みました。松井さんのミッションは「ゲームと秋葉原を軸にした新産業の創出」であり、その具体的方向性として「ここでプロゲーマーを作りましょう」というビジョンを描いていらっしゃいます。松井さんにとっては既に議論されている話なのかもしれませんが、新しい視点や課題提起が1つでもあったらと思い、エントリを読んで考えてみたことを自分のブログに吐き出して見ます。
まず、松井さんが問題点と認識している「ゲームが競技として未成熟」であること。について。
私が思い描くプロゲーマとして、野球選手やサッカー選手、棋士といった人たちと同じようなものをイメージしてみたのですが、今、存在するスポーツのプロの人たちと1点だけ状況が異なっていることに気がつきました。サッカーや野球なら「そのスポーツのプロ」として存在すればいいのですが、いわゆるコンピュータのゲームの場合、「そのスポーツ」の種類があまりに多すぎて、産業として成り立たせるくらいのプレイヤーの人材の量を、どこまで安定的に確保できるかといった点に難しさがあります。(逆にいえば、いままでのスポーツ産業とは異なった概念や考え方を必要としているような気もしますが。)ぱっと思いつくだけでもレースゲーム・格闘ゲームシューティングゲーム・・・。そしてその移り変わりが早すぎることが状況をさらに複雑にしています。ゲームメーカー、ゲーム運営企業としては、イベントに集まる人や販売額の絶対数が稼げるのであれば、儲けに直接つながるのでそれで良いのかもしれないのですが、プロゲーマにとっては沢山のゲームやバージョンに精通しないといけなくなり、その分安定な収入とどんどんかけ離れていってしまいます。そして「プロゲーマーに将来がない」という問題が現実的に圧し掛かってくるということになります。
この産業に存在すると想定される、ゲームメーカー・ゲーム運営企業・(プロ)プレイヤーというロールの中で、今の時点で存在しないのは(プロ)プレイヤーだけです。こうなると、既存のゲームを使ったイベントではなく、そもそも(プロ)プレイヤーが仕組みとして組み込まれていることを前提とした、そういうゲーム自体が必要なのかもしれません。それとも、特定のゲームだけでなく、多様な種類を渡り歩いて安定した成果を残せる人が、プロゲーマとして産業に位置づけられるのでしょうか。
オチのないとりとめないエントリで恐縮ですが、また思いついたら書いてみます。